日本地すべり学会誌
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論文
高知県小島地すべりにおける異なる深さのせん断帯の変位量増加に対する降雨の影響の相違
笹原 克夫
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2019 年 56 巻 2 号 p. 59-68

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抄録

 高知県小島地すべりにおいて, 地すべり地内外のボーリング孔での, 孔内傾斜計による, 深さ方向の変位量の分布の計測データを用いて, 異なる深さにあるせん断帯における変位の降雨量への依存性の検討を行った。地すべり地内では浅い部位と深い部位に複数のすべり面が確認されると共に, 地表面付近の土層もせん断変形を示した。しかし地すべり地外では深い部位にのみすべり面が確認された。浅い部位のすべり面及びせん断帯の変位と, 深い部位のすべり面では, 降雨に対して異なる応答を示した。浅い部位のすべり面及びせん断帯の変位の方が降雨量への依存性が大きく, 計測期間中の豪雨の後に大きな変位を示し, かつ降雨強度が大きいほど変位量も大きくなる傾向を示した。しかし深い部位のすべり面では豪雨の後の変位量の増加も顕著ではなく, かつ変位量の降雨強度依存性も小さい。深い部位ではむしろ計測期間を通じたほぼ一定の変位量増加を示すことから, これは重力による斜面変動であると考えられる。

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