日本地すべり学会誌
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論文
隆起に伴う丘陵の地形発達と地震地すべりを起こしやすい斜面の特徴
―新潟県の新第三紀泥岩分布地域の事例―
小松原 琢
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2023 年 60 巻 2 号 p. 49-61

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抄録

 隆起しつつある丘陵地域における斜面地形発達の段階を提案し, 地震地すべりを生じさせやすい地形の特徴を論じた。新潟県の中新-鮮新統泥岩からなる丘陵では, 次の地形発達段階が認められる。隆起初期の起伏量100m以下の段階 (線状浸食卓越期) には, 地すべりのような塊状浸食はまれな一方, ガリー浸食のような線状浸食が卓越する。次いで隆起の前期から成熟期 (起伏量100m~数100m) に至る塊状浸食拡大期には, 起伏の増大につれて塊状浸食が次第に優勢となっていく。さらに隆起運動が継続すると, 隆起が継続しても塊状浸食により起伏が減殺されて起伏量の平衡状態が生み出される。これを塊状浸食飽和期とする。隆起が減衰すると不明瞭な地すベリ地形は発達していても, 浸食作用は衰える浸食減衰期に至る。

 2004年新潟県中越地震では, 塊状浸食拡大期にある, 起伏量140~240mの地域で地震地すべりが多発した。

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