日本地すべり学会誌
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技術報告
砂岩の風化した断層破砕帯を素因とする破壊的流動性崩壊
山崎 新太郎渡邊 達也
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キーワード: 断層破砕帯, 崩壊, 降雨, 砂岩, 風化
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2023 年 60 巻 6 号 p. 274-280

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抄録

 筆者らは平成30年7月豪雨に伴って2018年7月7日愛媛県宇和島市吉田町畦屋で発生した崩壊の地質学的素因を分析した。同崩壊は遠距離まで到達し家屋を破壊して死傷者を発生させたものであり, 流動性という点で同豪雨による他の崩壊に比べて危険性の高いものであった。筆者らは, この崩壊が地形図では判読困難な潜在的な断層破砕帯とそれが起源の堆積物の崩壊によって発生したことを明らかにした。断層破砕帯は砂岩に形成されたものであり, その構成物質は破砕によって中小角礫化し, さらに風化によって強度が低下していた。豪雨時には高間隙率の断層破砕帯を通過した水が, 崩壊源の背部で水圧を発生させ崩壊を誘起したと考えられる。さらに本報告では同様の危険性の高い断層破砕帯は表層地質調査に加えて二次元比抵抗探査を組み合わせることによって, その場所と範囲を予測できる可能性があることを示す。

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© 2023 公益社団法人 日本地すべり学会
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