日本地すべり学会誌
Online ISSN : 1882-0034
Print ISSN : 1348-3986
大規模地すべり地の地下水流動特性に関する考察
東北地方の第三紀層地すべりを例として
相楽 渉丸井 英明吉松 弘行
著者情報
ジャーナル フリー

42 巻 (2005-2006) 1 号 p. 51-62

詳細
PDFをダウンロード (1767K) 発行機関連絡先
抄録

本論文では, 東北地方の第三紀層地すべり地における水質調査結果に基づき, 大規模地すべり地における地下水流動機構に関する総合的考察を行った。水質調査結果を地下水位調査結果, 地下水追跡調査, 更には地質構造と対比し, 総合的な地下水解析を行うことが有効であることを示した。
滝坂地すべり地を対象とした解析では, 地下水位の変動タイプを地質・地すべりブロック別に考慮し, 地下水水質並びに地下水追跡調査結果を組み合わせることで地下水の流動状況を把握した。更に, 地すべり地内における地下水のCl-イオン濃度分布の調査結果に基づいて, 融雪期の地下水位の上昇に花崗岩体を通過してくる深層地下水が関与している可能性が高いことを示した。
平根地すべり地を対象とした解析では, 新第三紀層中から流入する地下水と, 地下深部から上昇してくる地下水の混合状況から, 各地すべりブロックにおける地下水流動状況を把握した。水質解析結果から推定された地下水流動状況は地下水追跡試験結果と合致している。
以上の考察結果を総合して, 大規模地すべり地における総合的な地下水流動特性の解析手法を提案した。

著者関連情報
© 社団法人日本地すべり学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
前身誌

地すべり

feedback
Top