“リンパ浮腫は組織間液の産生と輸送との不均衡(排出の低下,不全が多い)によって,体液やほかの成分(タンパク質など)が組織間隙に蓄積することによって起こる病態である”(ベストプラクティス).本邦では癌治療に起因する二次性リンパ浮腫患者が多い.下肢リンパ浮腫患者は女性が多く,リンパ浮腫の原因疾患は子宮・卵巣癌である.リンパ浮腫の増悪因子の一つとされている蜂窩織炎は,細菌性皮膚疾患であり,急性,拡大傾向の顕著な感染症で,時には入院治療を要する.再発率が高いことも特徴である.危険因子については多様な要因が報告されているが,原因不明の発症も多い.治療については,抗菌薬,外科療法の有効性を示す報告がある.その一方,感染予防として重要だとされているスキンケアについてはエビデンスが不足していた.今後,スキンケアに関するエビデンスの構築が必要である.