筆者は60年以上にわたり義肢・装具の製作・修理を行っている病院に勤務する義肢装具士であり,2015年に日本下肢救済・足病学会認定士を取得した.現在も義肢装具使用者の高齢化が進行し修理の依頼も多いが症例の個別対応は,施設内外の他職種との連携が不可欠であり,地域の高齢者施設の職員と一般町民を対象とした講習会は,地域包括ケアにおける義肢・装具の必要性を周知するのに有効であった.病院勤務の義肢装具士は全国的にみても50数名と少ないが,独自の立場から下肢救済,さらには地域包括ケアに寄与でき,将来には認定義肢装具士の増加を期待したい.地域包括ケアの実現に向けて他職種とともに活動したい.