日本下肢救済・足病学会誌
Online ISSN : 2187-1957
Print ISSN : 1883-857X
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原著
難治性足病変に対するTotal Contact Castの治療効果に関する多施設共同研究
菊池 守大浦 紀彦古川 雅英松本 健吾早稲田 明生藤井 美樹黒川 正人寺師 浩人市岡 滋上村 哲司辻 依子倉地 功木下 幹雄寺部 雄太田中 康仁谷口 晃富村 奈津子横田 和典泉 有紀
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2017 年 9 巻 3 号 p. 188-197

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抄録

Total Contact Castは足病変に対して入院を要さず,外来通院しながら施行可能な免荷治療であり,歩行中の足底圧や剪断力を軽減させる.われわれは糖尿病や下肢末梢動脈疾患,維持透析患者の難治性足病変に対してTCC治療の効果や合併症,コストを明らかにするため,4週間以上の標準的な治療で治癒しえない潰瘍をもつ患者に対してTCCを施行した55例(男性36例,女性19例,平均年齢58.2±11.7歳)を対象とした多施設共同前向きレジストリー研究を行った.42例(76.4%)で良好な結果が得られ,4週で26例(47.3%),8週で33例(60%),12週で42例(74.5%),16週で43例(76.4%)が治癒もしくは十分な改善となった.有害事象により治療の中止にいたったのは4例(7.3%)であった.日本における足部難治性潰瘍の治療においてTCCは効果・安全性ともに高いことが示された.

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© 2017 日本下肢救済・足病学会
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