1986 年 11 巻 3-4 号 p. 183-185
主として西日本を中心として集めたニホンイタチ51頭から得た102個の精巣を用いて, 精巣の大きさと精子形成との関係について調べ, 重さ (W) 0.5g以上の精巣で精細管腔に完成した精子が観察された。また重さ, 短径 (S) および長径 (L) の測定値間の相関係数はすべて0.92以上と高く, 単回帰式はS=0.68L+0.24, L=9.88W+6.72, S=6.1W+5.0, また重回帰式はW=0.064S+0.048L-0.54と表わされた。重さ0.5gを単回帰式に代入すると, 短径8mmと, 長径12mmが得られることから, 短径8mm, 長径12mm以上の測定値をもつ場合, 精巣に精子の認められる確率が高いことが推察された。