2017 年 17 巻 p. 122-128
本研究では,複数の診療科を持つ総合病院の利用経験を持つ350名を対象に病院のつくりに対する意識調査を行い,現在の病室における課題を抽出した。結果は,建物としての病院全体のつくりに対して不便さや不自由さを感じたことがない・気にしていない人は合わせて67%であったが,病室におけるプライバシーの確保が困難なことなどに不便さや不自由さを感じており,利用者は建物という意識はないものの療養環境への不満があることがわかった。病院運営上,診療報酬に反映されない療養環境は,建築計画における改善と向上が求められる。