p. 140-144
本稿は,初期のマーケティング研究の先駆的な研究者,そして小売業経営の嚆矢とされるP・H・ナイストロムの代表的な著作に焦点を当て,考察し,そこから小売業の独自のマーケティング・マネジメントの体系化と小売業診断のフレームワークの構築を試みる。はじめに,小売業のマーケティングに関する現状を確認し,次にナイストロムの代表的な4 つの著作を取りあげ,研究内容とその評価をレビューする。そしてナイストロムが示唆する小売業経営への考え方,あり方,進め方を考察する。最後に,その中から現代小売業独自のマーケティング・マネジメントの体系化,および小売経営診断のためのフレームワーク構築へのアプローチを試みる。