本稿の目的は,日本,中国,ベトナムにおける大学生の企業の社会的責任(CSR)の意識を明らかにすることにある。具体的には,中国,ベトナムの大学生への質問紙調査をもとに,加藤(2008)が行った日本の大学生との比較を行うことで,大学生の企業選択の意思決定やCSR への重要度について,3 国の大学生の意識に違いがあるかどうかをみていく。中国とベトナムへは多くの日系企業が進出しており,将来日系企業のコア人材になると考えられる大学生の意識の違いや企業選択への影響を示しておくことは,日系企業の今後のCSR への取り組みや,従業員教育をはじめとした企業活動に様々な示唆を与えることができる。本大会論集では,日本とベトナムの結果を示した。全国大会のときには中国を含めた3 国の結果を示す予定である。