一般に、複雑性が高まり不確実な時代においては、大きな戦略に基づく実践(企画部が計画を立て、オーソライズされた案を現場が整斉と実践する)が功を奏しにくくなっている。絶え間なく起こる現場の変化や多様性に効果的に対処するには、構成するメンバーの対応が企業全体のミッションやビジョンと整合性を持ちながら顧客への価値提供という自律的な活動が必須となる。ここに理念を基軸にしたマネジメントの水平が開かれるのである。しかし、その理念の浸透は必ずしもうまくいかない。また、理念浸透と業績の関係も必ずしも明らかになっていない。本稿では、これらの課題に光を当てながら、成功している企業における将来課題についても詳述する。