本稿は技術革新を伴う新製品を誕生させたプロジェクト活動に関するアンケート調査とインタビュー調査に基づく実証研究成果を経営診断の立場で再検証し、革新性や創造性の観点での診断のあり方について考察する。具体的には、モノづくりを行う中小企業に焦点をあて、規模拡大による利益誘導(拡大型路線)ではない革新性や創造性を引き出し、結果として革新技術製品を生み出すことによる利益誘導(深化型路線)を可能とする企業再生のための診断のあり方について具体例をもとに考察する。その結果、従来多用された市場分析から開始する方法よりも、本方法で提案する自社の保有技術をもとに自らの感性を信じ用途開発先を洞察しその後確認のために市場調査を行うことが有効であるとわかった。