企業における人手不足感は,現在の想定外の状況を除けば,人口減少,高齢化の進展とともに高まっていく。政府は,生産性向上の機会としてとらえるべきとしているが,製造業においては,能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所が78.6%に上り(平成29年度能力開発基本調査),その問題点として62%が指導する人材不足を挙げている。さらに中小企業においては社員教育,研修の成果が上がっていないとするころも多い。(2017同友会特別調査報告)一方,労働政策研究・研修機構(JILPT)によると生産性が向上している企業の方がOff-JTに取り組む比率が高く,人材育成,能力開発の成果も上がっているとしている。これらの状況を概観した上で,中小製造業におけるOff-JT,研修の選択肢の一つとして,ポリテクセンターの生産性向上支援訓練を取り上げ,事例を踏まえて活用の仕方を考察する。