情報を直接の専門としない学習者を対象に,グラフィックスや音楽などからなるマルチメディアを利用して行っだ情報リテラシーの育成のための一学習方法について検討した.この学習は, BASIC言語によって学習者のオリジナルなマルチメディア作品「パーソナルメッセージ」を制作することを通じて, コンピュータの利用方法や機能を理解し,そしてコンピュータを用いて自己表現できる能力を身につけることを目的としたものである.本稿ではまずこの学習の方法と内容等の学習課程について述べた.そして各単元の学習後,学習者を対象にアンケート調査を実施し, この学習方法の効用等について考察した.その結果,この学習方法は,絵や音楽を作り出すことをテーマとしているため,学習期間をとおして学習に対する興味や意欲を高い状態で持続させ,しかも学習内容の理解を高めることに効果的であることなどから,初学者のための情報リテラシーの導入学習として適切なものであると考えられた.