日本教育工学雑誌
Online ISSN : 2432-6038
Print ISSN : 0385-5236
視覚と聴覚による文章の提示と記憶への影響
滝田 亘中山 実
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2004 年 27 巻 suppl 号 p. 81-84

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抄録

本研究では,文章を視覚と聴覚で提示した場合の記憶への影響を調べるために,課題文を視覚と聴覚で提示し,提示文章の内容について問題文により真偽判定する実験を行った.課題文に含まれる命題数が記憶に与える影響について,問題文での正答率と反応で検討した.その結果,3〜5命題課題において,視覚提示時の正答率は聴覚提示時の正答率より有意に高くなった.また聴覚提示について,2〜5命題課題においては,提示文章の命題数増加に伴い正答率は有意に低下した.問題文に対する判断の難易度を信号検出理論のd'を用いて検討した.その結果,視覚提示では命題数による低下は認められなかった.聴覚提示では,命題数増加に伴い,正誤の判断が有意に難しくなった.

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© 2004 日本教育工学会
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