職業決定は青年期後期の重要な発達課題の一つであるが,最近アパシーなどの心理的問題を伴う職業未決定あるいはフリーター志望などの職業未決定が問題となっている.そこで本研究では,どのような心理的要因がどのように組み合わされて職業未決定に影響を及ぼすかを把握するために,職業未決定尺度(下山1986)と質的比較分析(RAGIN1987)を組み合わせて分析,考察することを試みた.その結果,職業未決定に関係するどのような心理的要因がどのように組み合わされたときに,職業未決定の問題を生じやすいかを,最小積和形という極めて簡潔な形で把握することが可能であることが示された.