順天堂醫事雑誌
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話題 ワクチンをめぐる最近の話題
アルツハイマー病治療におけるワクチン療法
松本 信英本井 ゆみ子
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2013 年 59 巻 1 号 p. 36-40

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抄録
アルツハイマー病の免疫療法には受動免疫 (ワクチン) と能動免疫 (抗体を直接注射する方法) があります. 脳内のアミロイドβ (Aβ) がワクチンにより除去できることは1999年に初めてADモデルマウスを用いて報告されました. 最初にヒトに投与されたワクチンは脳炎で開発中止となりましたが, その剖検報告が2008年に発表されました. 脳内老人斑は除去できても症状の進行は阻止できないという残念な結果でした. 能動免疫に関しては現在までにADを対象として6種類の抗Aβ抗体の臨床試験が行われていますが, 2種類は第三相試験で有意差が見出せず開発中止となりました. その失敗とアミロイド蓄積は発症後にはプラトーに達しているというアミロイドイメージングの結果から米国では発症前のADを対象とした試験がはじまりつつあります. また, もう一つのホールマークであるタウ蛋白に対する免疫療法も動物実験ではよい結果が得られています.
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© 2013 順天堂医学会
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