音楽医療研究
Online ISSN : 1883-2547
ISSN-L : 1883-2547
総説
医学的音楽療法の基礎と臨床
呉 東進
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 2 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

客観的な根拠に基づく医療の基本文献であるコクラン・ライブラリーやUpToDateでレビューされる音楽の聴取や音楽療法の対象は、近年増加傾向で、2009年9月現在、疼痛、悩み・不安、分娩、自閉症スペクトラム、統合失調症、うつ病、認知症、パーキンソン病、レット症候群が取り上げられている。
人は音や音楽に対してよく反応し、胎児期後半から死に至るまで、耳に障碍がない限り、脳の未熟性や障碍が強く行動の観察では無反応にみえても、心拍数などの生体信号や脳のレベルでは何らかの反応がみられる。ただし、反応が遅く小さい場合がある。また、歌は注意をよく引きつけ、認知症や発達障碍の記憶や行動を改善する可能性がある。

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© 2009 日本音楽医療研究会
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