我々は10年間の試みから、診療所における音楽療法のベストプラクティスを検討した。対象疾患はパーキンソン病、失語症、認知症、筋萎縮性側索硬化症など。疾患により音楽療法の形態、頻度、目的は異なるが、患者の利用率が最も高いパーキンソン病、最も長期に継続できている運動性失語症例が当院でのベストプラクティスと考えている。パーキンソン病の集団音楽療法は、運動症状と非運動症状の両者に効果があった。失語症の個人音楽療法は、言語能力の改善というよりは、情緒の安定、意欲向上をもたらした。音楽療法は、慢性期の神経疾患、特にパーキンソン病や失語症においてQOLの向上に役立つ可能性があると思われる。