音楽医療研究
Online ISSN : 1883-2547
ISSN-L : 1883-2547
総説
アート・イン・サイエンス:医療としての音楽療法
佐藤 正之
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 5 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

医療としての音楽療法に必要な科学的アプローチについて、Evidence Based Medicine(EBM)を中心に解説した。Evidenceとは客観性と普遍性が証明された知見のことで、現代医学はEBMを基に成立している。適切な仮説や課題の設定、評価には、先人たちの研究成果の正しい理解が不可欠である。過去の知見から一段アップした仮説だけが科学的に意味があり、コントロール群や介入/コントロール期間の設定により仮説の正当性の有無を抽出できるよう、パラダイムを設定しなければならない。手間と時間はかかるが、一つ一つevidenceを積み上げて行くことが、音楽療法の有効性の科学的証明ひいては医療職としての音楽療法士の確立への近道である。

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© 2012 日本音楽医療研究会
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