音楽医療研究
Online ISSN : 1883-2547
ISSN-L : 1883-2547
シンポジウム:医療と音楽─互いに求めるもの
医師と音楽療法士のスタンスの相違と相補性
二俣 泉
著者情報
キーワード: EBM, 直観, 音楽療法
ジャーナル オープンアクセス

2012 年 5 巻 1 号 p. 8-10

詳細
抄録

医師は患者の安定性を重視し、音楽療法士は患者が充実感を味わう非日常的な体験を重視する。医師は患者の「平均からのズレ」に着目するが、音楽療法士は患者の「健康性」に着目する。治療に置いて、医師はエビデンスにもとづいて意思決定を行なうが、音楽療法士は意思決定に際して「直観」や「美的判断」も用いる。こうした医師と音楽療法士双方の相違点は、対立的ではなく、むしろ相補的である。医療現場で音楽療法がその力を発揮するためには、医師・音楽療法士の双方が、相互のスタンスの相違と相補性を認めることが重要である。

著者関連情報
© 2012 日本音楽医療研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top