2013 年 6 巻 1 号 p. 1-6
外来に通院する若年性アルツハイマー病患者に対して個別でフラッシュソングセラピーを用いた音楽療法を行い、認知機能、ADL、BPSD、QOLおよび介護負担に対する効果を評価した。著者の考案したフラッシュソングセラピーは個々人の嗜好に合った曲を患者自身がメドレー形式で次々に歌唱し、すばやい曲のチェンジ、リズムで脳と身体を刺激し充足を得る方法である。若年性アルツハイマー病8例( MMSE 0-23点、平均 10.5点)に対して週1回の外来音楽療法を16回行ったところ BPSD、QOLが有意に改善し、一部の患者では認知機能の改善も見られた。フラッシュソングセラピーを用いた音楽療法は病院における認知症診療の一つとなり得ることを示唆する結果である。