MACRO REVIEW
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論壇
地球工学:超光合成バイオ変換の方法
岩淵 雅明
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2011 年 23 巻 2 号 p. 2_15-2_23

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抄録

120年に亘り、独•米•日が食糧生産の国家プロジェクトに挑戦し、敗退の連続であった。農芸化学•発酵工学的、更には、遺伝子工学的アプローチが殆どで、光バイオ的手法は回避したのだ。光(Solarエネルギー)の替わりに、グルコースや酢酸等の化学エネルギーを大量の酸素で利用する超動物的(Photo-Hetero) BioはCO2を大発生する内燃機関そのものであった。他方、光のみEnergyとして使うPhoto Autotrophic BIOには、(1)草木の様に成長が遅いTypeと、(2)単位受光面積当り数100-数万倍高効率的な超光合成変換が24時間連続反応出来るTypeとがある。長日植物には、連続光で開花結実可能のC3植物(小麦等)やクロレラ等のマイクロAlgaeがあり、その量子要求は12mol(又は、12Einsteinとも云う)で、その逆数を量子報酬と云う。コメ等の短日植物は、開花結実に、8-12時間『暗期』が必要であり、1molの光量子で、CO212分子を同化出来る。量子報酬=1/12mol=0.083molである。海中区画設定Systemを用いれば森林農地喪失等の問題は起きない。海水dsw(深層水)による単1培養、精密設計培地との混合培養も出来るので、Algae組成に沿った成分供給が可能である。当然、海を汚染しない農業と漁業の構築が可能である。カトリーナ被害は15兆円に達し、巨大ハリケーンや台風が益々多発している。20年待たずして地球温暖化による経済損失は1000兆円/年を越えるというのは、英国スターン卿/元世界銀行『副頭取の経済報告』の通り。

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© 2011 日本マクロエンジニアリング学会
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