抄録
本研究は、韓国の都市廃棄物処理システムの実態について現地調査を行い、日韓の都市廃棄物処理システムについて、プラスチック及び生ごみの分別·リサイクルと焼却処理の位置付けについて比較検討し、資源の有効利用とエネルギー回収の観点から考察した。韓国のリサイクルは分別基準不適合物の混入率の高さが原因で、効率が良いとは言えないのが現状である。近年は、最終処分量の更なる削減のため、大規模清掃工場による広域処理の導入や生ごみバイオガス化の推進など、日本とは異なるアプローチを採用しながら、都市廃棄物処理システムにおける焼却処理やエネルギー回収の普及・促進を目指している。広域処理と生ごみリサイクルは日本にとっても重要課題であり、韓国の取り組みは注目に値する。また、日韓ともに多様な素材が含まれるプラスチックの有効利用に関しては問題が多く、焼却処理によるエネルギー回収を検討すべきである。