MACRO REVIEW
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マニラ首都圏における一般廃棄物の管理
挑戦と選択
劉 庭秀セロナ ケビン ロイ バラド
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2006 年 18 巻 1-2 号 p. 17-27

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抄録

マニラ首都圏の廃棄物処理能力はすでに限界であり、増え続けるごみの排出が抑制できず、リサイクル率も低い。また、適正な埋め立てが行われておらず、環境汚染や安全な管理ができないまま、単に捨てられたごみを埋めるだけである。埋立地から発生するメタンガスは、エネルギー回収の可能性が高いものの、まだそのポテンシャルが十分に生かされていない。これらの問題を解決するためには、廃棄物の適正管理、リサイクル制度の整備が重要である。廃棄物処理に関する情報管理も必要であり、リサイクルに関する生産者責任を求めることも一つの選択肢であろう。そして、今後中央政府と地方自治体、市民、NGOのパートナーシップが重要であり、情報の共有、モニタリング、政策評価によって、それぞれの役割と責任の所在を明確にしていくことが重要である。 現在、マニラ首都圏で行われているリサイクル方法のうち、地域の特色を生かしたものとしては、廃棄物を用いた手工芸品の制作、堆肥化、メタンガスによるエネルギー回収(パイロットプロジェクト)などがあげられる。しかし、これを成功させるためには、コンポスト製品および手工芸品の市場構築と有機農業の持続的な推進が必要であろう。メタンガスの利用は地球温暖化防止に繋がり、CDMの案件としても注目されている。地域環境に配慮した廃棄物管理を成功させるためには、政府とNGOのパートナーシップ構築によってそれぞれのプロジェクトを推進していくことが望ましい。殊にマニラ首都圏の場合、埋立地の適正管理と有効利用が必要であり、廃棄物で生計を立てている周辺住民(Waste Picker)も配慮しつつ、今後新しい廃棄物管理政策を策定していくことが望まれる。

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© 日本マクロエンジニアリング学会
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