MACRO REVIEW
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環境経営による企業価値向上
CSRと金融機関
藤田 慶彦
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2006 年 18 巻 1-2 号 p. 45-54

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抄録

企業価値を巡る議論が昨今かまびすしいが、バブル崩壊後の『失われた10年』でも各企業は伝統的な事業・財務戦略を実行しながら企業価値向上に努めてきた。しかしながら、次世代まで見通した環境配慮型経営については、明示的に存在しなかった。1950年以降公害対策から発した環境対策は、1990年代のプロセス管理・環境と経済の両立を経て、2000年以降社会的側面への拡大と発展してきた。環境・経済・社会をトリプルボトムラインと捉え、企業はこれら3つの要素を常に満たしながら、自ら持続的成長を遂げる必要がある。企業の社会的責任(CSR)やそのCSRを投資家が評価する社会的責任投資(SRI)については、未だ日本では歴史が浅く、規模も小さいことから、必ずしも全ての企業が全力で取り組むまでには至っていないが、日本には近江商人以来の商業の伝統があり、これらの概念が馴染みやすい土壌が存在する。これらが本格的に普及するには、環境問題等に正面から取り組む企業・個人が社会的・経済的メリットを享受できる社会の実現が不可欠であり、その実現に向けて企業のCSR推進努力、並びに金融機関からの側面支援を期待するものである。

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© 日本マクロエンジニアリング学会
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