MACRO REVIEW
Online ISSN : 1884-2496
Print ISSN : 0915-0560
ISSN-L : 0915-0560
廃棄物固形燃料の環境的側面と経済的側面の評価
日本の技術のカナダにおける適用
安田 八十五スペンサー レイモンド
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 18 巻 1-2 号 p. 5-15

詳細
抄録

本研究論文では、特に日本に重点を置いて世界の廃棄物固形燃料(RDF)の現状を検討し、RDFの環境および経済の両側面の評価を分析することに焦点をあてる。RDF生産の実際のデータは日本の事例から選択した。このデータは、大バンクーバー地域特別区(GVRD)をカナダの代表都市とし、一部が日本でRDFプラントやRDFそのものの生産のために開発された技術のカナダの状況への応用の可能性についてのシミュレーション分析を行うための計算モデルとして使用された。シミュレーションの計算結果、RDFプラントがRDF生産のためにカナダに建設された場合、少なくとも2種類の社会的便益が生じる可能性があることが確認された。まず第1に、RDFプラントの建設とそれに続くRDFの生産によって、大気中に排出される二酸化炭素(CO2)量が劇的に減少し、その結果、部分的に温室効果が減じられる可能性があると判断された。第2に、ゴミ埋立地行きになる廃棄物の量が減少し、埋立地の寿命が伸びることによる社会的便益がある可能性が大きい。さらに、シミュレーション分析の計算から示されるように、GVRDの廃棄物処理全体に関係する経費をRDFプラントの建設とそれに続くRDFそのものの生産によって大きく減らすことができると期待される。

著者関連情報
© 日本マクロエンジニアリング学会
次の記事
feedback
Top