抄録
エネルギー消費国はエネルギー源の多様化により対応しようとしているが、既に完全に社会生活の中に組み込まれてしまっている化石燃料を他に転換することはそう簡単なことではない。なぜなら、これは単なるエネルギー確保だけの問題ではなく、人口問題ひいては食糧問題、環境問題とも密接に関連するものであるからである。このような問題に対処するには国家間の連携が不可欠である。地球上の限りある資源を大量に消費することは控えて、それぞれの特徴に応じて他で代替できないものを中心にできるだけ長く利用するような方策を考えるべきである。石油を原料としたプラスチック類も最近では環境負荷を考えて生分解性のポリ乳酸、ポリ琥珀酸などに切り替えるような動きがでてきており、化石系資源の代替化はコストの問題さえ解決すれば再生産可能な資源に移行することができるようになってきている。