MACRO REVIEW
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ポスト化石燃料時代の持続可能な「足るを知る」社会への日本持ち株会社
角田 晋也
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2006 年 19 巻 1 号 p. 57-64

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抄録

足るを知って消費の増減がない世界全体では、生産から消費を差し引いた余剰に生産加速が比例するという条件、かつ、長期的には技術革新が減速する傾向ではないという条件が満たされない限り、生産の成長率は減衰する。本人の害になるにも拘らず程々でやめることが「できない」依存症は「足るを知らない」状態である。社会の持続可能性を高めるためには「足るを知る」必要がある。社会の持続可能性がある程度高まったら個々人の「やりたいこと」よりも「すべきこと」を優先する社会から「できること」を優先する社会に移行したほうがよい。日本の現段階では、発展途上国への投資を促進するため個人レベルで消費を積極的に抑制し、個々人の能力に応じて、科学技術振興による高付加価値技術開発および特許取得を進めると同時に日本株式会社から日本持ち株会社ヘリストラする。

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© 日本マクロエンジニアリング学会
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