MACRO REVIEW
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低加圧で海中に気体を断熱圧縮しつつ沈める方法
角田 晋也
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2007 年 20 巻 1-2 号 p. 41-45

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抄録

内径が小さい油圧チューブなどを用いれば、海面での加圧を小さくしても、気体を海中深くに沈めることができる。この際にはヒートポンプの原理、つまり断熱圧縮により海中深くに熱源が発生する。この技術は、二酸化炭素の海洋・海底隔離や、海底メタンハイドレートの採取などに応用することが可能である。マグネシウム燃料では、海水を電解して得られるマグネシウムに水を反応させて水素と熱を得るが、その際に副産物として生成する酸化マグネシウムを二酸化炭素と反応させると発熱して炭酸マグネシウムとなる。炭酸マグネシウムは水に難溶性であり、比重が水よりも大きいので、海面に投棄するとほとんど溶けずに自重で沈む。また、僅かに海水に溶ける際には、pHを大きくするので、海底窪地に開放状態で貯留した二酸化炭素が海水中に溶解してpHを小さくする現象を緩和するのにも利用できる。

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