MACRO REVIEW
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湾岸戦争とは何だったのか
真に日本に期待するもの
アラジン タイムール
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1991 年 4 巻 2 号 p. 1-6

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抄録

湾岸戦争とは何だったのかと説く以前に戦争の実体そのものを正しく理解する必要がある。日本では戦争も平和も偏見の目で見る風習がある。戦争は戦闘と物資,経済や利害関係の見苦しいぶつかり合いの場であり,人種,宗教,イデオロギ等の違いから生まれるものではない。人種は問題であれば太平洋戦争の「鬼畜米英」は今の良きパートナーになれるか? 宗教であれば同じ宗教のイラク・イラン・クウェート戦争になるか? タブー視されてきた日本の防衛や何らかの形で関わってきた戦争,太平洋,朝鮮,インドシナを原因から後遺症まで徹底的に究明すべき。さらに一歩進んで,いくつかのシナリオを考える。敗戦の時,ソ連は山形県位まで占領していたら? 朝鮮事変の時,北朝鮮と中国は日本の南で何とか共和国を構成していれば? 蒙古の攻撃の時(わずか700年位前),そこで国を築いていたからといって(パレスチナの場合,2,000年前ユダヤ人が一時国を築いたように)。中東ではパレスチナの問題はマグマになっている。日本はアラブ諸国とのコミュニケーションを図るべき。組織的に情報の交換が出来る仕組みになれば,相互に必要とされるものが明白になる。

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