気象集誌. 第2輯
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Notes and Correspondence
ユーラシアパターンに伴う惑星波の変調
前田 修平竹村 和人小林 ちあき
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2021 年 99 巻 2 号 p. 449-458

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抄録

 本研究では、ユーラシアパターン―ユーラシア北部において冬季に卓越するテレコネクションパターン―に関連する惑星波の変調を、JRA-55を使用した合成図分析により解析し、波―平均流相互作用を含むユーラシアパターンの力学的メカニズムを明らかにする。

 平年偏差の点からは、ユーラシアパターンは、北ヨーロッパ、中西部シベリア、および日本に作用中心を持つ、等価順圧な鉛直構造をした定常ロスビー波型のテレコネクションとして知られている。一方、帯状平均からのずれの観点では、ユーラシアパターンは、東アジアの冬季モンスーンに関連する惑星波の活動度を変調する。

 強化された東アジア冬季モンスーンに対応するユーラシアパターンの正位相では、対流圏のユーラシア中部から北太平洋において東方・上方に伝播する惑星波が平年より強まる。この惑星波の強化には、東アジアにおける帯状平均から擾乱への傾圧エネルギー変換が寄与する。強化され東方・上方に伝播した惑星波は、上部対流圏で収束し、それにより中高緯度の直接循環偏差と、中緯度下部対流圏への寒気流出を引き起こす。これらの結果は、ユーラシアパターンは主に惑星波の活動に関係する全球的な力学モードの1つであることを示す。

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© The Author(s) 2021. This is an open access article published by the Meteorological Society of Japan under a Creative Commons Attribution 4.0 International (CC BY 4.0) license.
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
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