気象集誌. 第2輯
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スペクトル解析による熱帯波動擾乱の研究
柳井 迫雄村上 勝人
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1970 年 48 巻 3 号 p. 185-197

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抄録
以前に柳井ら(1968)により研究された1962年4月から7月までの熱帯太平洋の上層風資料を,東西風,南北風両成分につき2日から25日周期までの広いスペクトル領域について再解析した.赤道以南の西太平洋の擾乱を調べるため,若干の地点を追加した.スペクトル解析の結果は高度-周波数図に示した.以前から知られた南北成分の4-5日周期以外に,大部分の観測所では対流圏全体と下部成層圏を通じて帯状風成分に顕著な10日以上の周期をもつ振動がみられる.若干の地点では帯状風成分に7日前後の周期も分離された.すべての主要なピークは上部対流圏にパワー•スペクトル密度の最大をもつ.高度-周波数図でのスペクトル密度分布の地域差を調べた.また時系列解析の解釈についての予備的考察も行った.
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© 社団法人 日本気象学会
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