抄録
1956年および1958年のマーシャル諸島のデータをもとに,スベクトル解析の手法を用いてMurakami(1971)によって報告された中間規模擾乱の統計的解析を行なった.
擾乱の波長は約1,000kmであり,東進することが確かめられる.擾乱にともなう風の変動は,その発散成分に卓越し,生じる収束一発散領域もやはり小規模なものであることが示される.
変動する各要素の垂直方向の位相関係より,擾乱の鉛直構造も求められた.下層ではcold core型の特徴がみられる.また,降雨活動の活発だった1956年には上層でwarm core型の特徴がみられるが,1958年度については顕著ではない.