気象集誌. 第2輯
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平日と週末の都市気候差
1.東京の都心における気温その他の気象要素の時間的変動
藤部 文昭
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1987 年 65 巻 6 号 p. 923-929

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抄録

1961~1985年の地上気象観測資料を使って,東京の都心における気温その他の気象要素の平日と週末の差を調べ,以下の結果を得た。(1) 日曜口(祝日等を含む)の気温は平日よりも低い。気温差は昼間に大きく,昼間の気温差は25年間の平均で約0.2°Cである。(2)気温差は時代とともに増大しており,近年は土曜日の夜にも低温が現れる。(3)気温差は年間を通じて認められるが,値は季節•天気•風速によって多少異なる。(4)日曜日の昼間は気圧が平日よりも0.05mb程度高い。このことから昼間の気温低下は数百 m 上空まで及んでいることが分かる。夜間は気圧差は検出されず,気温低下は地上付近だけに限られると思われる。(5)他の二,三の気象要素にも平日と日曜日の差が認められる。なお,曜日や日付けによる平日同士の気温差は認められない。

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