気象集誌. 第2輯
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強制吸引式雲粒子ゾンデの開発
折笠 成宏村上 正隆
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1997 年 75 巻 6 号 p. 1033-1039

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抄録

低濃度の氷晶からなる巻雲を測定するために新型の雲粒子ゾンデを開発した。このゾンデは倍率の異なる2台の小型ビデオカメラを搭載しており、粒径7μm-5mmの粒子の映像を1.6GHzのマイクロ波を通して地上に伝送する。従来の雲粒子ゾンデでは、サンプリング体積が小さいために、雲粒子の数濃度が低い雲の粒径分布が正確に評価できなかった。この点を克服するために、吸引用の小型ファンを付加することによって十分なサンプリング体積を確保した。また、周囲の気圧変化やゾンデの上昇速度によるサンプリング体積の変化を室内実験によって評価した。捕捉率の理論的計算から、10μm以上の粒子が全て捕捉されると考えられる。
強制吸引式雲粒子ゾンデによる巻雲の観測例から、10μm以上の氷晶の粒径分布を250m間隔で精度良く決定できることがわかった。この雲粒子ゾンデの観測結果は、巻雲の生成や維持の機構を理解するのに有益な情報を与える。

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