1996年1月-2月にかけて日本-オーストラリア、7月-8月にかけて日本-アメリカ間を航行した大成丸(運輸省航海訓練所)で中空糸膜モジュールを用いて海水と平衡になった乾燥空気中の二酸化炭素混合比(xCO2S)の測定を試みた。中空糸膜モジュールは、全容積が300cm3と現在用いているシャワーヘッド型平衡器(設置に110dm3必要)に比べて小さく、設置が容易である。中空糸膜モジュールを用いて測定したxCO2Sは温度計測を行うことにより従来のシャワーヘッド型平衡器の結果と良い一致を示した。14分離れて測定したxCO2Sの差は、0.1ppm(n=732)であり標準偏差は3.7ppmであった。このことは二つの平衡器間にシステマティックな差がないことを示しており、中空糸膜が平衡器として将来使用できることが分かった。