【目的】破裂および未破裂動脈瘤に対する瘤内塞栓術後の再開通の危険因子について検討した.【対象】2001年4月から2003年12月に瘤内塞栓術を施行した82例の動脈瘤のうち,5年以上の経過観察が可能であった破裂動脈瘤18例,未破裂動脈瘤40例を対象とした.【結果】破裂動脈瘤,未破裂動脈瘤の再開通は,それぞれ9例(50.0%),11例(27.5%)に認められた.その中で5例に再治療を試みたが,3例ではコイルを留置できなかった.塞栓術6ヵ月後の脳血管撮影で再開通を認めずに,その後の経過観察中に再開通を認めた症例は,破裂動脈瘤,未破裂動脈瘤でそれぞれ0例,2例(6.7%)とまれであった.未破裂動脈瘤,破裂動脈瘤の再開通の危険因子は未破裂動脈瘤では低い塞栓率であったが,破裂動脈瘤の再開通予測因子を特定できなかった.【結論】破裂動脈瘤は塞栓率が高くても再開通することがあるが,破裂,未破裂動脈瘤ともに6ヵ月後の脳血管撮影で再開通を認めなければ,その後の長期成績は良好であった.