2015 年 9 巻 4 号 p. 213-218
【目的】上肢アプローチのCAS では,血管径からデバイスの制限がある.上腕動脈直接穿刺にて,大型システムを用いたCAS を行い得たので報告する.【症例】80 歳男性.右内頚動脈高度狭窄と同領域の新鮮脳梗塞を認め紹介となった.高位病変・対側反回神経麻痺例であり,胸腹部・両腸骨動脈瘤があることから上腕アプローチのCAS を計画した.右上腕動脈を小切開により直接穿刺し9Fr シースおよびバルーン付きガイディングカテーテルを留置した.ガイディングルーメンより一時的に血液吸引しながらにGaurdwire を通過させ,以後ダブルプロテクションでCAS を施行した.【結論】術前に上腕動脈の血管径と大動脈弓部までの血管走行を評価し,本法を安全に施行し得た.