目的:急性期医療を受ける患者の地域での生活を視野に入れた看護を展開するために患者の情報と看護の視点について明らかにすることを目的とした.
方法:特定機能病院に勤務する中堅以上の看護師33名を対象に,地域での生活を視野に入れた患者の情報と看護の視点についてフォーカス・グループ・インタビューを行い分析した.
結果及び考察:急性期医療を受ける患者の地域での生活に必要な情報と看護の視点として,コアカテゴリー《地域での生活を可能にするニーズ》が抽出された.さらに地域での生活を可能にするための状態とニーズとして【身体・生理的な状態とニーズ】,【生活の自立と安全の状態とニーズ】,【病気の受け入れと心理的反応の状態とニーズ】,【社会的環境の状態とニーズ】,【医療・療養への自己決定の状態とニーズ】の5つのカテゴリーに分類された.これらより,患者の暮らしの希望,療養の目標,5つの視点の状態からニーズを導き看護を展開する看護の過程として,“Nursing Care for Patient Goals"(NCPG)を構造化した.
結論:地域包括ケアシステムの中において急性期医療を受ける患者の情報と看護の視点として地域での生活を可能にするための5つの状態とそのニーズが重視されていた.