The Journal of Nursing Investigation
Online ISSN : 2434-2238
Print ISSN : 1348-3722
地域包括ケアシステムの中で急性期医療を受ける患者の希望を地域につなぐための患者状態とニーズの抽出
—“Nursing Care for Patient Goals"(NCPG)の構造化—
笹井 知子芝橋 秀宏重根 裕代河原 良美三木 幸代金澤 昭代東條 幸美加根 千賀子長谷 奈生己中野 あけみ高開 登茂子岩佐 幸恵雄西 智恵美
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2022 年 19 巻 2 号 p. 14-22

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抄録

目的:急性期医療を受ける患者の地域での生活を視野に入れた看護を展開するために患者の情報と看護の視点について明らかにすることを目的とした.

方法:特定機能病院に勤務する中堅以上の看護師33名を対象に,地域での生活を視野に入れた患者の情報と看護の視点についてフォーカス・グループ・インタビューを行い分析した.

結果及び考察:急性期医療を受ける患者の地域での生活に必要な情報と看護の視点として,コアカテゴリー《地域での生活を可能にするニーズ》が抽出された.さらに地域での生活を可能にするための状態とニーズとして【身体・生理的な状態とニーズ】,【生活の自立と安全の状態とニーズ】,【病気の受け入れと心理的反応の状態とニーズ】,【社会的環境の状態とニーズ】,【医療・療養への自己決定の状態とニーズ】の5つのカテゴリーに分類された.これらより,患者の暮らしの希望,療養の目標,5つの視点の状態からニーズを導き看護を展開する看護の過程として,“Nursing Care for Patient Goals"(NCPG)を構造化した.

結論:地域包括ケアシステムの中において急性期医療を受ける患者の情報と看護の視点として地域での生活を可能にするための5つの状態とそのニーズが重視されていた.

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© 2022 国立大学法人 徳島大学医学部
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