保健医療科学
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論文
新型コロナウイルス感染症流行時における全国的な学校給食の実態
田中 久子 小島 唯堀川 千嘉村山 伸子森崎 菜穂
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2021 年 70 巻 5 号 p. 579-586

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抄録

目的:学校給食の有無によって,子どもたちの栄養状態に影響があることは報告されているが,新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)流行時における学校給食の実態については,明らかになっていない.そこで,本研究は,2020年 4 から10月の学校給食の提供状況を全国的に調査し,COVID-19流行時における学校給食の実態を明らかにすることを目的とした.

方法:全国50自治体の479校の小学校および中学校を対象に,2020年 4 月から10月の全日程について学校給食の提供状況を調査した. 2020年11月に各学校の校長を経由して栄養教諭または学校栄養職員に自記式調査票を郵送した.調査項目は,「給食なし」,「通常給食」,「簡易給食」,「不明」,「休校/長期休暇」である.

結果:有効回答数は205校(有効回答率:42.8%)であった.回答校のうち2020年 4 月および 5 月は,それぞれ80%,62%の学校が休校しており,それにしたがって給食の提供もなかった.また,簡易給食の提供は2020年 5 月下旬から始まり,主にCOVID-19の感染レベルの高い地域で実施されていた.簡易給食は全国的なものではなく,限定的(50自治体中 8 自治体が実施)かつ長期的(10~40日程度)であった.

結論:全国的に, 4 , 5 月はほとんどの学校が休校しており,それにしたがって給食の提供もなかった.また,簡易給食の提供は 5 月下旬から始まり,主にCOVID-19の感染レベルの高い地域で実施されていた.子どもたちの健康状態や栄養状態の質を評価するためにも,今後,個々人の状態の評価や,簡易給食の献立内容の解析など,より詳細な調査が期待される.

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© 2021 国立保健医療科学院
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