脳神経外科と漢方
Online ISSN : 2758-1594
Print ISSN : 2189-5562
原著
桂枝加朮附湯が奏功したと考えられた症例の検討
郭 忠之
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2020 年 6 巻 1 号 p. 18-25

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抄録

桂枝加朮附湯は,吉益東洞の経験方であり,四肢や躯幹の疼痛,関節痛や手足の痺れ感があり,寒冷に増強する証によい適応とされている。当科では,外来・入院にかかわらず患者の様々な疼痛に対し,痛みの部位や性状・手足の冷え・胃腸の状態・肩こりなどを問診し,舌診・腹診を行い,水痘・帯状疱疹罹患歴を確認し,証と考えられた場合に桂枝加朮附湯を処方した。その結果,神経痛・関節痛のみならず脳卒中後遺症に伴う諸症状など幅広い10症例に効果が認められた。奏功例を,東洋医学的見地から詳細に顧みて検討し,桂枝加朮附湯のよい適応について考察して報告する。

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© 2020 日本脳神経外科漢方医学会
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