自然言語処理
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連想知識メカニズムを用いた挨拶文の自動拡張方法
吉村 枝里子土屋 誠司渡部 広一河岡 司
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2006 年 13 巻 1 号 p. 117-141

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抄録

会話において, まず行われるのが挨拶である.コンピュータやロボットにおいても挨拶を行うことから次へと会話が広がり人間とのコミュニケーションが円滑に行われる.本研究では会話処理の中でも特に挨拶処理についてのしくみを提案する.挨拶処理は従来テンプレートを適用するのみであり, あまり研究は行われてない.しかし, 単に用意されたテンプレートだけを用いると応答が画一化され, 設計者の作成した文章のみが出現するという問題点がある.会話文の中でも特に挨拶文は設計者の作成した文章がそのまま使われることが多い.そこで本稿で提案する挨拶処理システムにおける挨拶文は設計者が用意した挨拶知識ベースに存在しない新たな文章も作り出す.人間は言葉に関する汎用的な知識を覚え, その言葉に関する常識を持った上で会話を行っている.これと同じように, 挨拶処理において, 汎用知識と常識判断にあたる連想知識メカニズムを用いる.挨拶知識ベースにこの連想知識メカニズムを組み合わせて検討することにより, 文章を大規模に拡張し, 精錬する手法を提案する.

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