自然言語処理
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知覚的群化に基づく参照表現の生成
船越 孝太郎渡辺 聖栗山 直子徳永 健伸
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2006 年 13 巻 2 号 p. 79-97

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抄録

参照表現とは, 複数の物体のなかから特定の物体を識別するための言語表現である.これまでに提案されている参照表現の生成手法は, 物体の属性と物体間の二項関係のみを用いていた.しかしながら, このようなアプローチでは, 弁別的な属性や二項関係が存在しない状況において適当な参照表現を生成できない.この問題を克服するため, 本論文では, 知覚的群化と多項間関係を用いた参照表現の生成手法を提案する.人間が知覚的に認識しやすい物体の群を利用することで, 「左の三つの玉のうちの一番右の玉」のような表現を生成することが可能になる.我々は42人の被験者に対して心理実験を行ない, 知覚的群化を用いた参照表現を収集した.生成アルゴリズムは収集した表現に基づいて構築した.23人の被験者を用いた評価実験により, 提案手法が適切な参照表現を生成できることが確認できた.

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