自然言語処理
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TypeAny: 言語判別を用いた多言語入力システム
江原 遥田中 久美子
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2008 年 15 巻 5 号 p. 151-167

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抄録

近年, 国際化に伴い, 多くの言語を頻繁に切り替えて入力する機会が増えている.既存のテキスト入力システムにおいては, 言語が切り替わるたびに, ユーザーが手動で, テキスト入力ソフトウェア (IME) を切り替えなければならない点が, ユーザーにとって負担になっていた.この問題を解決するために, 本論文では, 多言語を入力する際にユーザーの負担を軽減するシステム, TypeAnyを提案する.TypeAnyは, ユーザーが行うキー入力からユーザーが入力しようとしている言語を判別して, IMEの切り替えを自動で行う.これによって, ユーザーがIMEを切り替える操作量が減るため, 複数の言語をスムーズに切り替えながら入力することが可能になる.本研究では, 隠れマルコフモデルを用いて言語の判別をモデル化し, モデルにおける確率をPPM法を用いて推定することでTypeAnyを実装し, その有用性を評価した.その結果, 人工的なコーパスにおける3言語間の判別において, 96.7%の判別精度を得た.また, 実際に多言語を含む文書を用いて実験したところ, 切り替えに必要な操作の数が, 既存の手法に比べて93%減少した.

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