自然言語処理
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文節重要度と係り受け整合度に基づく日本語文簡約アルゴリズム
小黒 玲尾関 和彦張 玉潔高木 一幸
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2001 年 8 巻 3 号 p. 3-18

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抄録

これまで主に検討されてきた文書要約手法は, 文集合から重要文を抽出するものである. この方法によれば, 段落などを要約した結果として誤りのない文の集合が得られる. しかし, 目的によっては更に要約率を上げるため, または段落などの単位での要約が不適当であるときなど, 一文毎の簡約が必要となる場合がある. このような文書要約手法では, 簡約文が日本語として自然な文であることが重要ppである. そこで本論文では, 文の簡約を「原文から, 文節重要度と文節間係り受け整合度の総和が最大になる部分文節列を選択する」問題として定式化し, それを解くための効率の良いアルゴリズムを提案する. 本稿の定式化では簡約文の評価に文節問の係り受け整合度が用いられていることから, 簡約結果は適切な係り受け構造を持つことが期待できる. したがって本手法を用いることにより, 自然で正確な簡約文を高速に生成できる可能性がある. このアルゴリズムを実用するには, 文節重要度と係り受け整合度の適切な設定が不可欠であるが, 本稿ではこれらについては議論せず, アルゴリズムの導出と計算効率, 実装法などに重点を置いて報告する.

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