日本神経回路学会誌
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解説
感覚—運動機能研究のための実験システム開発環境の構築と医工連携
福田 浩士國重 雅史飯田 忠行宮口 英樹原田 俊英
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2016 年 23 巻 4 号 p. 153-161

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抄録

日本は超高齢社会を迎え,認知症の予防・早期発見・早期回復に関する社会的な要求が高まっており,簡便で効果の高いスクリーニング検査,トレーニング,リハビリテーション手法の確立が望まれている.これらの手法の確立には脳の感覚—運動機能や認知機能を解明するための基礎研究が重要となる.また,脳機能の基礎研究において心理物理実験を用いた研究が計算論的神経科学の分野などで広く行われているが,そこで培った実験システムの構築のノウハウを新しい検査,トレーニング,リハビリテーション手法の確立のために利用できる可能性が高い.本稿では,感覚—運動機能研究のための実験システムの構築を支援する開発環境について解説するとともに,その開発環境を認知症の検査・トレーニングシステムの開発に汎用化することを目的とした医工連携の試みについて解説する.

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© 2016 日本神経回路学会
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