日本神経回路学会誌
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解説
鳴禽類のコミュニケーションシグナル,さえずりの生成と認識の神経機構
安部 健太郎
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2018 年 25 巻 2 号 p. 16-22

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抄録

無限のバリエーションをもつ音声シグナルを用いて他個体とコミュニケーションする「ことば」の能力は,しばしばヒトが特異的に保持する能力と言われる.一方で,「ことば」を操るのがヒトのみであるならば,脳が特定のシーケンスの音声を生成,認識する細胞レベルでの神経メカニズムを明らかにすることは,実験手段の制約から困難なものとならざるを得ない.鳥類の一群,鳴禽類は,「さえずり」と呼ばれる音声シーケンスを用いて他個体とコミュニケーションをとるが,その特性や獲得過程,神経機構には,ヒトの「ことば」のそれと類似した部分が多い.ヒトも鳴禽類も,脳内の情報処理のユニットである神経細胞自体には大差はないので,鳴禽類の「さえずり」はヒトの「ことば」に関わる神経機構を解析する動物モデルとして着目されている.本稿では,鳴禽類のコミュニケーションシグナルである「さえずり」を生成・認識する神経機構について,最近の知見の紹介とともに解説する.

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© 2018 日本神経回路学会
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