2019 年 26 巻 3 号 p. 51-61
本稿では,時間的に連続して提示される2つの刺激の間で生じる2つの心理学的な現象である視覚マスキングとプライミングを取り上げ,その時間ダイナミクスやメカニズムについて論じる.また,それらと視覚的注意の関係についても議論をする.特に,脳の初期の領域(つまり,感覚野に近い領域)から高次の領域(前頭葉の連合野など)へのボトムアップ,あるいはフィードフォワードの情報の流れと,逆方向の高次から初期の脳領域へのトップダウン,あるいはフィードバックの情報の流れが,これらの現象をどのように説明しうるのかについて議論する.